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1985 サントリーペンギンズバー広告

大胆さと美しさ

サントリーのペンギンズ・バーというビールは1984年発売のサントリーの缶ビールです。広告のデザイナーは多分、戸田正寿さんだと思います。
この広告は1985年のもの。この大胆でシンプルで美しいレイアウトには心が痺れます。非常に力強く効果的で、2020年代から見ても非常に美しいと思います。
ちなみに雑誌の劣化具合もあるので、背景はこんなに黄色くないと思います。

一方、パッケージのデザイナーは日本を代表するクラスの木村勝さん。1980年代の自由なデザイン環境とビール後発のサントリーの戦略によって幸せに生まれたデザインだと思います。
お二人のデザインが実にしっくり融合して何とも言えない感覚になります。

この後、ペンギンのキャラクターと松田聖子の歌を使ったアニメCMが人気になり、パッケージの方もキャラクターが付いたかわいいデザインに変更されていきます。商業的には成功なんでしょうけれど、初期のこの絶妙なイメージ戦略は無くなってしまいます。ちなみにペンギンのキャラクターを使った広告も戸田正寿さんなので、引き出しの多さに敬服します。ずごいなー

とは言え、各社似たようなパッケージ戦略をやっており、翌1986年サントリーモルツ発売(さらに翌年にはアサヒスーパードライも発売)と、ようやく製品で勝負するようになりました。

当然ながら商業デザインは商品を売るためにあるので、社会的に問題ない表現が前提ですが、売れさえすれば良いのですが、ある程度時間が経つと文化的な指標のみが浮かび上がってしまうので、難しいものですよね。

広告:1985年・ポパイ198号

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